ALA Project

例年よりも早く梅雨が明け、強い日差しが照りつける季節になってきました。アートラボあいちにとって、3回目の夏を迎えます。

今回は、2011年にアートラボあいちがオープンしてから継続して実施しているプロジェクトの一つ、“ALA Prpject”について紹介したいと思います。

 

ALA Projectは、この地域の若手作家、特に絵画の作家を紹介をしていく企画として実施してきました。

アートラボあいちの1階には、通りに面して大きなガラス窓と扉があり、1階の壁に絵画を展示することで、ラボの前を通る人たちへアピールできるのではないかと考え、比較的大きなサイズの絵画を展示するプロジェクトとなっていきました。これまで、1階のスペースにて展示したアーティストは16名います。

現在展示しているのは、愛知県立芸術大学出身の源馬菜穂さんです。76日(土)には、ご本人をお呼びしてアーティストトークを開催しました。その時の様子をご紹介します。


のびのびとしたスクロールによって描かれた風景の中にたたずむひとりの人物が描かれている作品が印象的な源馬さんの作品、その風景とモチーフは、どこから生まれているのでしょうか。

5年前ぐらいから描き続けているモチーフで、描かれる風景は特定の場所をモチーフとしているのではなく、どちらかといえば源馬さんの中でイメージした風景を描き起こしているそうです。丘のようなところが印象に残りますが、源馬さんのふるさとが長野県で比較的標高の高い場所にあることが起因しているのかもとお話されていました。

もともと油絵で制作をしていたようですが、最近はエッグテンペラの技法を油彩と併用して制作しているそうです。(エッグテンペラとは、その名前にあるように卵を顔料と混ぜて描く手法)始めたきっかけはいろいろあるようですが、続けている理由のひとつが色彩が鮮やかであることだそうです。また、テンペラ画は絵を描き始めるまでの準備過程がいくつかあり手間がかかるのですが、その手順もこれまで培って来た絵画技法と異なり新鮮に感じているとのことでした。

 

その他、映像作品を自作したり、電子ピアノとパソコンにある編集機能を利用してオリジナルの音楽を作ったりしているそうです。自作映像では、源馬さんが撮影した写真を材料にスライドショーを作成しそこへ好きな音楽をつけるのだそうです。また音楽制作は、以前開催した展覧会会場で流すBGMを自作したのがきっかけということでした。音楽のイメージが絵画のイメージへと繋がったりもするとお話されていました。

 

源馬さんの展示は、721日(日)まで開催しています。ぜひ、ご覧下さい。

(RK)