アートラボあいち閉館によせて

 アートラボあいちは、20118月に開館して以来、長者町において、あいちトリエンナーレ2013の情報発信拠点として、また愛知県内の芸術系大学の連携拠点や若手アーティストの作品展示場所として、多くの皆様にご利用いただいてきましたが、このたび、1117日(日)をもちまして、閉館致しました。

 

 これまでアートラボあいちでは、さまざまな展覧会やワークショップ等を開催してきました。

1階の壁面を使って実施してきた“ALA Project”では、20118月から20136月までの間に、この地域の若手アーティスト16名を紹介する展示を行ってきました。この壁面には、比較的大型の作品を掲げ、通りに面した窓の外からもよく見える場所であったため、通行中の方も中を覗いていかれる様子が多く見られました。それぞれの会期中には、アーティストトークも行われ、話は、制作や作品についてはもちろん、趣味など様々な話題に及び、作家本人の人柄が分かる貴重な機会となりました。

 
池さんのトークの様子
池さんのトークの様子
齊藤大二さん
齊藤大二さん

2012年から本格的に始まった大学連携プロジェクトでは、愛知県立芸術大学、名古屋芸術大学、名古屋造形大学が順番に企画した展覧会が、地下1階と2階、3階を使って行われました。トリエンナーレ開催前の20135月には、3つの大学が連携した“あいち卒展コレクティブ”展が開催されるなど、3大学間での交流も生まれました。

あいち卒展コレクティブ
あいち卒展コレクティブ

4階では、名古屋学芸大学の学芸ラボとして、企画展が行われました。映像作品の上映や在校生による卒展に向けての実験展など数多くの展覧会が開催されました。映像作品には、在校生や卒業生のほか、国外アーティストの作品の上映もあり、多彩な表現によるアニメーション作品が鑑賞できる機会となりました。また、卒業制作展の前に、学芸ラボでプレ卒展を開催し、インスタレーションを学ぶ学生のみなさんが、展示室での作品の配置などを試みる実験展が行われました。

インスタレーションゼミ制作展
インスタレーションゼミ制作展

アートラボあいちでは展示だけでなく、ワークショップやまちの方をお招きしたトークなども開催してきました。あいちトリエンナーレ実行委員会と長者町アートアニュアル、NPO法人まちの縁側育くみ隊が連携して聞き手となり、長者町の方をゲストにお招きして、まちの歴史やゲストご自身の人となりをお伺いする「アートサロン」は、これまでに13回開催しました。ここでの話がもとになって生まれたあいちトリエンナーレ2013作品もありました。

升半さん
升半さん
吉田会長
吉田会長

アートラボあいちは、情報発信拠点としての役割も担ってきました。「長者町だいたいアートmap」を設置したり、展覧会関係のチラシやDMを配架したりと愛知県内外のアート情報を発信してきました。また、トリエンナーレの準備段階からの様子が分かる「みえるトリエンナーレ」は、参加アーティストの作品制作過程の様子を写真で紹介し、トリエンナーレ会期中も賑わうコーナーとなりました。


これまで、アートラボあいちが、展覧会を鑑賞するだけでなく、トリエンナーレの情報も含めた何か面白そうな情報が得られる、ワークショップにも参加できる、長者町のことを知り、そして誰かと繋がれる、そんな場所として、皆様に、親しんで頂ける場であったのならば、幸いです。

あいちトリエンナーレ20102013とを繋ぎ、そして、トリエンナーレの情報を発信する場として開館したアートラボあいちですが、これまで多くの関わりを経て、たくさんの繋がりを持てたことを、スタッフとして、とても嬉しく思います。アーティストを始め、まちの皆様、多くの来場者の皆様に支えられ、運営出来ましたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

(RK)